Nano Cap™技術による安定動作と設計自由度
「Nano Cap™」技術の採用により、わずか470nF(Typ.)の出力コンデンサでも、負荷電流変動1mA⇔500mA/1µs時において出力電圧変動を約250mVに抑える安定動作が実証されています。これにより、一般的な数µFの小型MLCCや大容量の電解コンデンサに加え、安定性の確保が困難であった1µF以下の容量を持つ0603Mサイズ(0.6×0.3mm)などの極小MLCCにも対応可能です。この対応は、回路や基板の小型化だけでなく、部品選定の自由度向上にも寄与します。

Nano Cap™は、ロームの「回路設計」「レイアウト」「プロセス」という3つの先端アナログ技術を結集することで実現された超安定制御技術を指します。この技術は、アナログ回路におけるコンデンサに関する安定動作の課題を解決し、自動車、産業機器、民生機器など幅広いアプリケーションの設計工数削減に貢献します。

Nano Cap™技術に関する詳細は、以下の特設ページで確認できます。
BD9xxN5シリーズの製品概要
BD9xxN5シリーズは、入力電圧3V~42V、出力電圧1V~18V(可変)または3.3V/5.0V固定、最大出力電流500mAの仕様を有しています。AEC-Q100に準拠しており、車載用途にも対応します。

BD9xxN5シリーズの製品ページは以下で確認できます。
BD9xxN5シリーズ
開発の背景
近年、電子機器の小型・高密度化が進行しており、電源回路には省スペース化と高い設計自由度を実現するため、小容量コンデンサでも安定動作可能な電源ICが求められています。1µF以下の出力コンデンサで安定動作を実現することは、技術的に困難とされてきました。
ロームは2022年に、この課題に対応するためNano Cap™を搭載したLDOレギュレータ「BD9xxN1シリーズ」(出力電流150mA)を開発し、100nFの出力コンデンサでの安定動作を実現し、高い評価を得ました。今回開発された「BD9xxN5シリーズ」は、より大電流が求められるアプリケーションに対応し、電源設計における出力コンデンサに関する課題解決をさらに支援します。
アプリケーション例
BD9xxN5シリーズは、以下のような幅広いアプリケーションでの使用が想定されています。
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車載機器
- 燃料噴射装置(FI)やタイヤ空気圧監視システム(TPMS)などのパワートレイン系電源
- ボディコントロールモジュール(BCM)などのボディ系電源
- クラスタやヘッドアップディスプレイ(HUD)などのインフォテインメント系電源
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産業機器
- プログラマブルロジックコントローラ(PLC)や遠隔端末装置(RTU)、産業ゲートウェイなどコントローラ用電源
- 温度、圧力、流量などのアナログ負荷やセンサ用の高精度LDO
- ビルオートメーション、防災、入退室盤などの監視制御盤用電源
- ヒューマンマシンインターフェース(HMI)やパネル機器のスタンバイ電源
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民生機器
- 冷蔵庫、食洗機、エアコンなどのコントロール制御基板用電源
- 恒温器(サーモスタット)やドアベルなど住宅設備用電源
- ホームセキュリティやネットワーク機器などの常時給電用電源
販売情報とサポート
本製品は2025年10月より月産30万個体制で量産を開始しています(サンプル価格300円/個:税抜)。インターネット販売にも対応しており、以下のオンラインストアから購入可能です。

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- コアスタッフオンライン
- DigiKey
- Mouser
検証用シミュレーションモデルとして、IC実物の電気的特性と温度特性を忠実に再現する高精度SPICEモデル「ROHM Real Model」が完備されており、ローム公式Webサイトから入手可能です。
ロームは今後も、Nano Cap™技術搭載LDOシリーズのさらなる拡充を通じて、電子機器の高性能化、小型化、高信頼化に貢献していく方針です。

