音だけでなく、「弾き方」まで認識するAI
従来のピアノ学習アプリは、演奏された音の正誤判定が主な機能でした。しかし、ピアノの上達には指の形、脱力、姿勢、運指といった身体的要素が不可欠です。
「AI Music Coach」の最大の特徴は、これらの「弾き方」そのものをAIが認識できる点にあります。ROLIのデバイス「Airwave」に搭載された赤外線カメラ技術により、両手それぞれにある27の関節を毎秒90フレームで捉えます。これにより、AIは演奏された音だけでなく、「どのように弾いているか」までをリアルタイムで解析し、「指が寝ているので立てましょう」といった具体的な技術的アドバイスを、自宅でいつでも受けられるようになります。
AIと会話しながら学ぶ新しいレッスン体験
これまでの学習アプリは一方向のレッスンが中心でしたが、「AI Music Coach」では、学習者自身がAIと会話しながらレッスンを進めることができます。高度な音声AIモデルの統合により、学習者はAIに質問したり、その場で学習ペースや内容をリクエストしたりすることが可能です。
例えば、「ここが難しいから、もっとゆっくり教えて」「ジャズっぽく弾くコツはある?」といった問いかけに対し、AIコーチが即座に意図を理解し、一人ひとりのレベルやペースに合わせたアドバイスを提供します。楽譜やテキストを読む必要がなく、会話を通じてレッスンを進められるため、楽器に初めて触れる方でも無理なく取り組める設計です。

「AI Music Coach」を構成する3つの要素
「AI Music Coach」は、以下の3つの要素の連携により実現されます。
- ROLI Piano: ROLI製のキーボード。Airwave、ROLI Learnと連動し、発光鍵盤が演奏をサポートします。
- Airwave: ユニット上部のセンサーが指の動きをリアルタイムで捉え、演奏に合わせて音声で指使いや動きをガイドします。
- ROLI Learn: 演奏学習アプリ。従来の反復練習にとらわれず、ジャズやポップスなど好みの楽曲で練習をスタートできます。

製品情報と今後の展開
2026年第2四半期より、「AI Music Coach」機能を含む「ROLI Learn App」は、Apple StoreおよびGoogle Playより提供予定です。「AI Music Coach」のビデオは以下から確認できます。
「AI Music Coach」に関する最新情報や提供開始の案内は、以下の事前登録フォームから受け取ることが可能です。
日本における今後の展開として、2026年第2四半期より株式会社ヤマハミュージックジャパンとともにROLIの一部ハードウェア製品を国内で展開する予定です。プレス・関係者向けのイベントも計画されており、詳細は4月に改めて発表されます。
ROLI共同創業者兼CEO Roland Lamb氏のコメント
ROLIの共同創業者兼CEOであるRoland Lamb(ローランド・ラム)氏は、テクノロジーが人の創造性を引き出し、拡張するものであるべきだと述べています。ハンドトラッキング技術と対話型AIの組み合わせにより、「正しい音」を追うだけの学習ではなく、自分自身の身体の使い方や表現と向き合う体験の実現を目指しているとのことです。AIは教師の代わりではなく、学ぶ人の可能性を支え、気づきを与える伴走者として、演奏プロセスそのものに寄り添いながら、一人ひとりの成長を支援する役割を担います。音楽が誰にでも開かれているべきだというビジョンは、「AI音楽学習のためのマニフェスト」として以下のリンクで公開されています。

ROLI 共同創業者兼CEO ローランド・ラム
ROLIについて
2021年に設立されたROLI(Luminary ROLI)は、「Free the Music(音楽を解放する)」をミッションに掲げ、テクノロジーを通じて人の創造性を拡張することを目指す音楽テクノロジー企業です。人を中心としたアプローチのもと、AIおよびハンドトラッキング技術を音楽学習に応用し、誰もが直感的に音楽と向き合える環境づくりに取り組んでいます。同社はその一環として、ハンドトラッキング分野をリードするUltraLeapを買収し、身体の動きを高精度に捉える「Airwave」プラットフォームの開発を進めています。
詳細はROLI公式サイトをご覧ください。

