ロボットおよびドローン向けの次世代SoCロードマップ
ハイエンド画像処理およびモーションコントロール分野を展開する台湾のファブレスIC設計企業、QBit Semiconductorは、「SEMICON Taiwan 2026」において、フィジカルAI制御をターゲットとしたロボットおよびドローン向けチップセットのロードマップを発表しました。

ロボットアームの高度化を支える「QB88XX」シリーズ
QBitが新たに発表した「QB88XX」シリーズは、20自由度を超える巧緻ロボットハンドのスペースや電力制約を解決するために設計されたSoCです。多関節制御を1チップに集約することで、システム全体のコスト削減と消費電力の低減を実現します。
本チップは、小脳モデル関節制御器(CMAC)アーキテクチャを採用しており、以下の構成で脳からの指令実行とモーターのサーボ制御を高度に行います。
- 脳機能実行: Arm Cortex-A78クアッドコアプロセッサとNPUの組み合わせ
- サーボ制御: Arm Cortex-M7、TGEN、およびセカンダリNPUの組み合わせ
最大32台のモーター制御に対応するほか、PCIe、USB、CANバス、カメラインターフェースを統合しており、産業用オートメーションやロボットアームへの導入が期待されます。
ドローン開発における2段階の戦略
ドローン事業において、QBitは2026年から2029年以降にかけて段階的な技術投入を行う計画です。
- フェーズ1(2026年~2028年): 「QB77XX」を投入。最大32GBのLPDDR5/5XやGbEに対応し、エントリーレベル市場へ参入します。TGENとCortex-M33によりリアルタイムの飛行制御を実現し、基板数の削減に貢献します。
- フェーズ2(2029年以降): 飛行制御とミッションコンピューティングを単一チップへ統合したドローン専用「QB88XX」を投入予定。オプティカルフロー制御やターゲット追跡機能が実装されます。
現在、QB77XXを用いた単一物体追跡ソリューションのデモが実施されており、今後は複数物体追跡機能の実装も予定されています。
ポスト量子暗号(PQC)によるセキュリティ強化
ドローンソリューションには、セキュリティ機能も統合されています。同社の「QB7」シリーズは、2025年に米国NISTのCAVP認証(ポスト量子暗号:ML-DSAアルゴリズム)を取得済みです。これにより、セキュアブート機能を通じたデバイス認証やファームウェア保護が提供されます。
詳細はQBit Semiconductorの公式サイトをご参照ください。
QBit Semiconductor LTD.

