Nordic Semiconductor、IoT機器向け高精度バッテリー健康モニタリング「Nordic Fuel Gauge v2.0」を発表

IoT機器の長寿命化と信頼性向上に貢献

Nordic Fuel Gauge v2.0は、より信頼性が高く、持続可能で長寿命な製品の開発を支援します。また、EU電池規則(2023/1542)など、強化されつつあるバッテリー交換規制への対応も可能にします。これにより、メーカーはバッテリーの交換時期を適切に判断できるようになり、「修理する権利(Right to Repair)」への対応を支援するとともに、製品の信頼性向上と保証コストの削減を実現します。

Nordic SemiconductorのPMIC製品ディレクターであるGeir Kjosavik氏は、「実際の現場でのバッテリー挙動は、ラボでの測定結果と一致しないことがほとんどです。Fuel Gauge v2.0により、これまでハイエンドのコンシューマー機器に限られていた適応型の実環境インテリジェンスをIoT分野に提供します。これは数十億台のバッテリー駆動デバイスにとってゲームチェンジャーとなるでしょう」と述べています。

Memfault統合のnRF Cloudによるフリート全体のバッテリーインテリジェンス

Fuel Gauge v2.0は、Nordicのクラウドライフサイクルサービス「nRF Cloud powered by Memfault」とシームレスに統合されます。これにより、デバイスは独自のクラウド基盤を必要とせず、バッテリーの健康状態(SoH)、充電状態(SoC)、および各種性能指標を自動的にレポートできます。エンジニアリングおよび運用チームは、フリート全体のバッテリー状態を監視し、異常の検出、充電パラメータの最適化、さらに実環境データに基づく将来のハードウェア設計の改善が可能になります。

クラウドと「nPM FAMILY」が連携し、複数のバッテリーの電力供給や充電を管理するシステムを図で表現しています。エネルギー効率と接続性を強調したイラストです。

Memfaultの創業者で、Nordic Semiconductorソフトウェアサービス担当VPのFrançois Baldassari氏は、「Memfaultは、あらゆるハードウェアチームが高度なデバイスインサイトを活用できるよう設計されました。Fuel Gauge v2.0をnRF Cloudとシームレスに接続することで、企業はフリート全体のデバイス挙動を理解・改善するための強力かつスケーラブルな手段を手に入れます。これはバッテリーインテリジェンスの未来です」と述べています。

高精度な寿命予測を実現する新しいバッテリーモニタリング手法

Fuel Gauge v1.0で実現された高精度な充電状態(SoC)測定をベースに、v2.0ではバッテリーの初期プロファイルと実際の使用挙動を継続的に比較する適応型モデルが導入されました。これにより、正確なバッテリー健康状態(SoH)の推定、充放電サイクルおよび長期劣化トレンドの追跡が可能となり、バッテリーの経年劣化後も製品寿命全体にわたり安定した精度が維持されます。また、複数のバッテリーを交換しながら使用する機器においても、それぞれのバッテリーのSoHを個別に管理できます。

従来のバッテリー状態管理ICは、固定モデルやクーロンカウンティングに依存するため、時間の経過とともに誤差が蓄積する傾向があります。一方、Nordicの手法では専用バッテリー状態管理ICを必要とせず、nPM1300に内蔵された電圧・温度・電流測定機能と、高度なホスト側アルゴリズムを組み合わせて動作します。これにより、専用ICと同等の精度をより低コストで実現し、部品点数(BOM)の削減とシステムの簡素化を可能にします。さらに、スリープ時の消費電力はゼロであり、競合ソリューションと比較して大幅な省電力を実現します。

Fuel Gauge v2.0は、nRF54シリーズnRF91シリーズを含む任意のホストMCUまたはワイヤレスSoC、さらにはNordic以外のホストでも動作可能であり、OEMはほぼすべての接続機器に高度なバッテリーインテリジェンスを導入できます。

提供時期

Nordic Fuel Gauge v2.0は現在、顧客向けにベータ提供中であり、2026年6月に正式提供が開始される予定です。詳細については、Nordicのバッテリー状態管理ページをご参照ください。

Nordic Semiconductorに関する詳細情報は、公式ウェブサイトにて確認できます。
関連リンク: