グローバル化と新興企業の台頭が日本の家電ビジネスに与える影響
本書は、私たちの生活と社会を豊かにしてきた家電製品とその開発を担ってきた家電メーカーの誕生から進化までを深く掘り下げます。単なる製品の変遷にとどまらず、その根底にある技術革新、激しいグローバル競争や事業再編、新興メーカーの台頭といったビジネス動向、さらにはサブスクリプションや指定価格制度などの最新の販売・マーケティング戦略までを多角的に解説しています。AIやロボティクス、スマートホームといった最新テクノロジーについても言及しており、家電業界の過去・現在・未来を俯瞰し、ビジネスの奥深さと可能性を理解するための必読書と位置づけられています。
激動の家電業界地図と「第三極」の台頭
かつて「三種の神器」で日本の高度経済成長を支え、世界を席巻した日本の大手家電メーカーは、デジタル化やグローバル化の波、そして中韓をはじめとする海外企業の台頭により大きな再編を余儀なくされました。パナソニックがBtoBへシフトし、ソニーがコンテンツ・エンタメ企業へと変貌を遂げ、一部の家電事業が海外企業の傘下に入るなど、業界地図は激変しています。
一方で、ファブレス化による「ジェネリック家電」メーカーの誕生や、ドン・キホーテやニトリといった小売流通企業の参入が相次いでいます。さらに、機能だけでなくデザイン性や「体験」を重視するバルミューダなどの「第三極」メーカーが躍進しています。機能の飽和とコモディティ化が進む中、昭和の「高機能化・多機能化」のモノづくりから、消費者のライフスタイルや感性に訴えかける「コトづくり」へのシフトが、生き残りの鍵となっている現状が解説されています。
AIとロボティクスがもたらす「スマート家電」の未来
現代の家電は、単なる電気製品から「知能を持ったロボット」へと進化しつつあります。ロボット掃除機はAIによる画像認識で障害物を回避し、エアコンはセンサーで室内の状況を判断して最適な空間を作り出します。そして、シャープの「ホットクック」などに代表される自動調理鍋は、料理というアナログな家事の「タイムシフト」を可能にしました。
本書では、家電がネットワークに接続されることで生まれるスマートホームの現在地と未来についても解説しています。アマゾンやグーグルが主導する音声アシスタントの進化、共通規格「Matter」によるデバイス連携の容易化、そして家庭内エネルギーを管理する「スマートハウス」との融合。人間と家電がどのように協働し、私たちの生活をさらに豊かにしていくのかを展望します。
本書にぴったりの方
- 家電メーカーや小売業界で働くビジネスパーソン
- 製造業における最新のマーケティングや販売戦略を知りたい人
- 家電の歴史や最新テクノロジー(AI、スマートホーム等)の動向に興味がある人
- 新規事業開発や商品企画に携わっている人
書籍情報

- 書名: 『家電ビジネス』
- 著者: 安蔵靖志
- 定価: 1,848円(本体1,680円+税)
- 体裁: 四六判 / 256ページ
- ISBN: 978-4-295-41213-7
- 発行: 株式会社クロスメディア・パブリッシング
- 発売日: 2026年5月29日

