開発の背景とER電池の課題
現在、ER電池は産業機器のバックアップ電源、スマートメーター、IoT機器などで広く利用されており、特に1/2AAサイズのER電池はIoTセンサーに多く採用されています。しかし、ER電池は使い切りの一次電池であるため、定期的な電池交換作業が必要であり、使用済み電池の廃棄も課題となっていました。
新開発モジュールの特長
今回開発されたモジュールは、ワイヤレス充電回路、高耐熱・高信頼性の全固体電池、および昇圧回路を1/2AAサイズに集約しています。これにより、既存のER電池と同等の3.6V出力を実現し、専用充電器と組み合わせることで、複雑な回路設計なしに既存機器のワイヤレス充電化を可能にします。
このモジュールの導入により、繰り返し使用可能な全固体電池の採用によって電池交換作業の削減と電池廃棄量の低減に貢献します。また、ワイヤレス充電機能により、電池交換や充電のための開閉部が不要となり、高い密閉性が求められる機器への適用が容易になります。
全固体電池モジュールおよび専用充電器の仕様概要



活用事例と今後の展望
本モジュールの活用例として、高温環境下で使用される食品用温度ロガーが挙げられます。例えば、レトルト食品の殺菌工程では、本体の耐熱性と水分侵入を防ぐ高い密閉性が要求されます。マクセルは現在、本モジュールを用いた食品用温度ロガーの実用性検証をハウス食品株式会社と共同で進めています。
マクセルは、「Micro batteries. Maximum impact.」のコーポレートバイラインのもと、今後も高い信頼性、高耐熱、高出力、大容量を軸に、既存電池では対応が難しかった領域への適用可能な電池製品化を目指します。さらに、全固体電池とワイヤレス充電やエナジーハーベスティング技術を組み合わせたモジュール製品化を検討し、社会課題の解決と持続可能な社会の実現に貢献していく方針です。
全固体電池に関する詳細情報は、以下のウェブページで確認できます。
「全固体電池」Webページ
注記
- ワイヤレス充電は、機器の筐体材料によっては利用できない場合があります。
- 専用充電器は、使用する機器に合わせた専用設計が必要です。

